2011年2月23日水曜日

2011年2月19日土曜日

アトランタ・ブレーブス




○野手陣(数値はビル・ジェームズによる予測値)
・予想ラインナップ

左 M・プラド     .305 12本 65点 4盗 .802
右 J・ヘイワード  .295 22本 88点 13盗 .904 
三 C・ジョーンズ  .288 17本 66点 4盗 .882
二 D・アッグラ   .263 31本 94点 3盗 .835
捕 B・マッキャン  .280 24本 94点 4盗 .859
一 F・フリーマン  .282 16本 83点 6盗 .781
遊 A・ゴンザレス  .241 13本 53点 1盗 .696 
中 N・マクラウス  .246 15本 54点 16盗 .751

・控え野手

捕 D・ロス      .235 11本 40点 0盗 .748
内 B・コンラッド   .235 5本 17点 3盗 .748
内 B・ヒックス           予測値なし
外 E・ヒンスキー   .238 10本 38点 2盗 .748
外 J・シェーファー       予測値なし

昨季はチーム得点数がリーグ5位だった打線は今季もまずまず。アッグラが加入したことにより長打力が増しました。また、昨季チーム出塁率がリーグ1位(打率は6位)だったように、選球眼のよい選手が多く、おおきな武器となります。これに昨季ケガに苦しんだベテランのジョーンズが復活すれば、打線はかなり充実したものとなるでしょう。新人王候補のフリーマンにも期待です。ただ、センターのレギュラー候補が昨季不振に苦しんだマクラウスであるように外野陣の層の薄さは気になります。有望株のシェーファーや一塁と外野を守れるヒンスキーらがベンチに控えますが、さすがにテコ入れは必要でしょう。

○投手陣(右端の奪三振/与四球)
・先発投手
T・ハドソン      34試合 15勝10敗 226回 防3.50 W1.25 137/66
T・ハンソン      34試合 15勝10敗 219回 防3.41 W1.19 207/71
D・ロウ        32試合 11勝10敗 193回 防3.87 W1.35 123/57
J・ジャージェンス  28試合 10勝9敗 172回 防3.82 W1.35 125/62
M・マイナー     17試合 5勝4敗 76回 防4.44 W1.38 70/25


・救援投手
J・ベンダース   74試合 4勝4敗0セーブ 74回 防4.14 W1.53 61/40
P・モイラン    83試合 4勝3敗0セーブ 63回 防3.71 W1.41 51/23
E・オフラハティ  49試合 2勝2敗0セーブ 41回 防3.73 W1.39 33/17
G・シェリル    66試合 2勝2敗0セーブ 37回 防3.41 W1.35 37/18
C・キンブレル  63試合 5勝2敗25セーブ 63回 防2.57 W1.29 100/47


投手陣はフィリーズに引けを取らないレベル。先発3人衆は安定感が高く、充実の陣容です。これに昨季不振だったジャージェンスが復活し、期待のマイナーが台頭すれば盤石でしょう。救援陣も豊富。昨季活躍したベンダースやキンブレルなどの若手の台頭が目立ちます。特に昨季20.2イニングで40奪三振を奪ったキンブレルには注目。ベンダースは四球を減らせばさらに安定感が増すでしょう。モイランやシェリルなどワンポイントの投手が多くいるのも魅力です。

○総評
投打ともにかなり充実した陣容を誇り、フィリーズに十分対抗できる戦力があると思います。打線には機動力以外は穴が見られませんが、外野の層の薄さは気がかり。シーズン半ばに補強があるかもしれません。投手力には全く穴がなく、リーグ屈指の力を持っているといえます。現状では地区優勝は難しいでしょうが、ワイルドカードなら十分に狙える位置にいると思います。

2011年2月18日金曜日

テキサス・レンジャーズ





○野手陣(数値はビル・ジェームズによる予測値)
・予想ラインナップ

二 I・キンズラー   .275 20本 74点 21盗 .811
遊 E・アンドラス   .274 2本 43点 34盗 .676
左 J・ハミルトン   .324 26本 91点 7盗 .947
三 A・ベルトレ    .283 24本 88点 5盗 .812
右 N・クルーズ    .297 28本 88点 18盗 .907
指 M・ナポリ     .246 24本 66点 4盗 .815
一 M・モアランド   .281 7本 30点 2盗 .829
捕 Y・トレアルバ   .255 8本 48点 5盗 .699
中 J・ボーボン    .297 3本 30点 16盗 .713


・控え選手
捕 M・トレーナー  .224 2本 11点 0盗 .626
内 C・デービス   .267 8本 28点 2盗 .818
内 A・ブランコ   .257 2本 20点 2盗 .640
外 D・マーフィー  .284 12本 61点 10盗 .799

マイケル・ヤングはあえて抜きました。移籍先を探していますが高年棒と拙守がネックでなかなか見つからないようです。それでも今季も打線は強力。批判の多いベルトレもテキサスの球場では好成績を残しており、予測値以上の成績を残してもおかしくありません。また、マーフィーなどベンチの層も厚い。長打力・機動力ともにリーグ屈指で、打線だけでも十分に上位進出できます。



○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手
C・J・ウィルソン  33試合 13勝10敗 208回 防3.59 W1.32 186/95   
C・ルイス      33試合 12勝11敗 208回 防3.85 W1.31 178/73
T・ハンター     29試合 8勝10敗 158回 防4.39 W1.37 91/46
D・ホーランド        20試合 5勝5敗 86回 防4.08 W1.33 73/40
B・ウェッブ     28試合 12勝8敗 179回 防3.42 W1.25 142/58
S・フェルドマン   27試合 5勝7敗 105回 防4.46 W1.42 59/38

・救援投手
D・オリバー    60試合 4勝3敗0セーブ 58回 防3.41 W1.26 44/17
D・オデイ     71試合 4勝2敗0セーブ 62回 防2.90 W1.15 49/17
A・ローズ     63試合 4勝2敗0セーブ 48回 防2.81 W1.21 46/19
A・オガンド    49試合 3勝2敗0セーブ 46回 防3.42 W1.28 38/17
N・フェリス    67試合 4勝3敗39セーブ 71回 防2.66 W1.15 75/26


リーと再契約できなかったのは痛い。ウィルソン・ルイスの2人は安定感はあるものの、ともにエースというには微妙な存在。3番手以降はメンツが確定しておらず、先発陣は充実しているとは言い難い状況。2008年サイヤング賞のウェッブもここ2年ほとんど投げておらず、年間通してローテーションを守りきれるかは疑問。ヤングをトレードの駒として実績のある投手を獲得する可能性も十分にあります。救援陣はまずまずの陣容ですが、オリバーや新加入のローズはともに40歳を超えており、あまり信頼を置きすぎるのは危険。昨季台頭したオデイには期待がかかります。先発転向の噂のあるフェリスはとりあえずは今季もクローザーでしょう。

○総評
打撃はリーグ最高レベル。今季も得点力に困ることはないだろう。一方リーの抜けた投手陣はやや弱体化。特に先発陣は人材が不足しており、早くに手を打つ必要があるでしょう。とはいえ、投打のバランスはよく、今季もプレーオフは十分に狙える陣容。プレーオフでも強さを発揮できると思います。

2011年2月17日木曜日

シアトル・マリナーズ




○野手陣(数値はビル・ジェームズによる予測値)

・予想ラインナップ

右 イチロー       .316 7本 47点 30盗 .752
三 C・フィギンズ    .277 3本 42点 32盗 .708
中 F・グティエレス   .261 14本 63点 20盗 .724
指 J・カスト       .242 20本 64点 1盗 .805
一 J・スモーク     .249 19本 70点 1盗 .765
捕 M・オリーボ     .244 17本 62点 6盗 .704
左 M・ソーンダース  .242 10本 34点 10盗 .703
遊 Ja・ウィルソン   .261 4本 30点 3盗 .670
二 B・ライアン     .254 3本 31点 11盗 .645


・控え野手

捕 A・ムーア       .254 10本 44点 1盗 .689
内 Jo・ウィルソン    .244 3本 23点 4盗 .642 
内 A・ケネディ      .264 4本 33点 10盗 .688
外 M・ブラッドリー    .257 10本 36点 6盗 .795
外 R・ランガーハンズ  .237 3本 14点 4盗 .724

昨季は歴史的貧打に泣かされましたが、今季も得点力はリーグ最低クラス。カスト、オリボを加えたことで長打力は多少マシにはなりましたが、劇的な変化をもたらすことはなさそう。打線のつながりも悪く、最大の長所である機動力も十分に使えるかは疑問です。控え野手も二遊間を守る選手が必要以上にいることや、ケガばっかりするわ、警察沙汰の事件起こすわというメジャー一番の問題児ブラッドリー(しかも年棒1200万ドル)の存在もあったりで、層はあまり厚くはありません。今季の注目点はイチロー選手の11年連続200安打と、アックリーやピネダら有望株のデビューくらいでしょうか。

○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手
F・ヘルナンデス  32試合 13勝11敗 223回 防3.31 W1.21 204/72
J・バルガス      31試合 8勝14敗 195回 防4.29 W1.39 135/67
D・フィスター     29試合 8勝13敗 183回 防4.33 W1.37 121/42
L・フレンチ      25試合 6勝11敗 156回 防4.38 W1.40 89/49
E・ベダード      12試合 4勝4敗 66回 防3.55 W1.27 65/26

・救援投手
B・リーグ      67試合 4勝5敗2セーブ 78回 防3.92 W1.35 60/28
G・オルセン    42試合 2勝3敗0セーブ 47回 防4.60 W1.47 38/21
S・ケリー      37試合 3勝2敗0セーブ 42回 防4.18 W1.31 35/14
D・アーズマ    50試合 2勝3敗28セーブ 49回 防3.49 W1.39 48/26


投手陣は昨季はシーズンを通して好調を維持しましたが今季もそれができるかは微妙。先発陣ではヘルナンデス以外は小粒な印象。安定感もそれほどではないうえ、技巧派ばかりなのも迫力に欠けます。ケガからの再起をはかるべダードがかつての投球を発揮してくれればいいのですが、それもあまり望めなさそう。救援陣も層が薄い。目立った選手がいないうえ、守護神のアーズマも開幕から2週間の離脱となっており、台所事情は非常に苦しい。昨季のようにヘルナンデスの勝ち星を何度も消してしまいそうで、心配されます。


○総評
打力は今季もメジャー最低レベル。機動力くらいしか見るべきところがなく、今季もシーズンで600点取れるかは微妙な状況。「非力だが小技の使える2番打者」タイプの選手がやたら多く、迫力に欠けます。投手陣はヘルナンデス以外はインパクトに欠ける印象。救援陣も弱く、試合終盤に失点する場面が増えそう。守備がいいのはプラスですが、総合的にはプレーオフは夢のまた夢といった感じ。スモークやアックリーら有望株の成長具合が注目すべきポイントです。

2011年2月15日火曜日

オークランド・アスレチックス





○野手陣(数値はビル・ジェームズによる予測値)
・予想ラインナップ
中 C・クリスプ    .273 7本 40点 27盗 .738
一 D・バートン    .262 12本 66点 5盗 .783
左 D・デヘスス    .289 11本 68点 6盗 .777 
指 松井秀喜     .268 21本 85点 0盗 .802
右 J・ウィリンガム  .259 22本 72点 7盗 .834
三 K・クーズマノフ .264 18本 77点 1盗 .746
捕 K・スズキ     .266 13本 73点 4盗 .727
二 M・エリス     .263 9本 53点 7盗 .710
遊 C・ベニントン  .248 5本 44点 29盗 .678


・控え選手
捕 L・パウエル   .221 6本 22点 1盗 .685   
内 A・ロザレス   .262 10本 40点 4盗 .738
内 C・カーター   .251 24本 79点 4盗 .790
外 R・スウィニー  .293 6本 53点 4盗 .752
外 C・ジャクソン  .268 3本 16点 3盗 .756

昨季は打線の不調が目立ちましたが、松井、ウィリンガム、デヘススを加えた今季はまずまずの得点力を発揮できるでしょう。松井には予測値以上の成績を残してもらいたいところ、クーズマノフやスズキなど昨季、「身分不相応」な主軸をまかされた選手も今季は下位にまわることで本来の力を発揮できるかもしれません。以前は、盗塁・犠打を全く使いませんでしたが、最近は機動力も駆使するようになっておりクリスプやベニントンには期待がかかります。2番を打つバートンの選球眼も相手には非常に厄介。突出した選手はいないものの、昨季のように過度の得点力不足い悩むことはなさそう。有望株カーターのレギュラー定着は来年だと思います。



○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手
T・ケーヒル    32試合 12勝12敗 218回 防3.67 W1.27 129/81
D・ブレーデン   32試合 12勝12敗 214回 防3.66 W1.28 145/60 
G・ゴンザレス  33試合 13勝10敗 212回 防3.99 W1.36 212/97
B・アンダーソン 27試合 10勝9敗 171回 防3.53 W1.22 140/40
R・ハーデン   18試合 5勝4敗 76回 防3.67 W1.30 80/36

・救援投手
G・バルフォア  46試合 4勝1敗0セーブ 46回 防2.54 W1.17 55/21
B・フエンテス  46試合 3勝2敗32セーブ 49回 防3.31 W1.27 51/21
C・ブレスロウ  72試合 5勝4敗2セーブ 77回 防3.04 W1.21 70/31
B・ジーグラー  56試合 3勝3敗0セーブ 55回 防3.44 W1.33 36/19
J・ブレビンス  55試合 3勝2敗0セーブ 45回 防3.40 W1.24 45/14
M・ワーツ    48試合 3勝2敗0セーブ 44回 防3.07 W1.25 49/20
A・ベイリー   57試合 4勝2敗30セーブ 58回 防2.64 W1.14 56/21


投手陣はほぼ穴がないといっても過言ではない顔ぶれ。先発、中継ぎともにメジャー屈指の充実度を誇ります。先発陣は昨季18勝のケーヒルを筆頭にブレーデン、ゴンザレス、将来のエース候補アンダーソンらと抜群の安定感を誇ります。この4投手の開幕時の平均年齢は24.5歳と非常に若いのも魅力です。ブルペンは先発陣以上の充実度。守護神ベイリーや昨季ブレイクしたブレスロウらに加えバルフォア、フエンテスを迎え、これ以上ない布陣となりました。唯一の不安点は先発5番手の投手。今のところ、古巣復帰のハーデンの起用が予想されますが、ケガの多い選手なので信頼はできません。ブルペン陣がむしろ必要以上に人材がそろっているという状況なので、彼らの中からな1人か2人放出して、先発を任せられる投手をとってくる可能性もあるでしょう。

○総評
打線は少なくとも昨季以上の得点力は期待できる筈。投手陣はこれ以上ない布陣で、投打ともに地区優勝には十分な戦力があるといえます。守備力も高く、昨季のジャイアンツのようなチームでプレーオフでも勝抜けるだけの力は持ってるといえます。あとは、持ち前のプレーオフでの勝負弱ささえでなければ、という感じです。

ロサンゼルス・エンゼルス





○野手陣
・予想ラインナップ(数値はビル・ジェームズによる予測値)

遊 E・アイバー   .274 5本 45点 19盗 .686
指 B・アブレイユ  .268 13本 94点 23盗 .797
右 T・ハンター   .272 23本 92点 11盗 .797
左 V・ウェルズ     .269 25本 85点 7盗 .795
一 K・モラレス   .296 27本 95点 1盗 .850
二 H・ケンドリック .295 10本 73点 13盗 .764
三 A・カヤスポ   .281 7本 47点 4盗 .729
捕 J・マシス    .212 3本 16点 1盗 .599
中 P・ボージャス .260 6本 26点 19盗 .697

・控え野手

捕 H・コンガー   .271 8本 45点 1盗 .742
内 M・イズタリス  .278 5本 39点 10盗 .741
内 B・ウッド     .235 6本 17点 2盗 .707
内 M・トランボ      予測値なし
外 R・ウィリッツ   .245 3本 22点 6盗 .653

オフの最優先課題だった外野手の補強に失敗し、苦肉の策としてウェルズを連れてくるなど打線の強化は完全に失敗に終わった印象。中軸ですらOPSが8割を超えている選手が少ないのはあまりにもさびしい状況。長打力もないうえに、フィギンズが抜けて以降は機動力もそれほど使えなくなってきているので、数年前のように打線には脅威を感じません。ケガから復活のモラレスや将来の正捕手候補のコンガーらには期待がかかります。

○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手

J・ウィーバー   34試合 14勝10敗 222回 防3.45 W1.20 199/61 
D・ヘレン      34試合 15勝12敗 238回 防3.52 W1.18 209/52
E・サンタナ    33試合 11勝13敗 211回 防4.14 W1.33 169/67
J・ピニェイロ      29試合 10勝11敗 193回 防4.06 W1.34 110/50
S・キャズミアー  29試合 8勝10敗 162回 防4.22 W1.41 151/75


・救援投手

S・ダウンズ   60試合 4勝3敗0セーブ 58回 防3.26 W1.24 47/19
高橋尚成    41試合 7勝5敗4セーブ 94回 防3.93 W1.34 82/34
K・ジェプセン 71試合 3勝4敗0セーブ 64回 防3.94 W1.48 64/32
F・ロドニー  74試合 4勝4敗6セーブ 74回 防4.14 W1.45 67/39

先発陣はほぼ盤石。ウィーバー、ヘイレン、サンタナの3人は耐久性抜群で安定感も十分。昨季大不振だったキャズミアーが復活すれば、メジャー最高レベルの先発陣が出来上がります。ダウンズと高橋が加わった救援陣はまずまずの陣容。今のところはクローザーはロドニーとなる予定ですが、安定感に欠けるのが不安要素。また、移籍組以外に目立った選手がいないのも難点です。


○総評
補強にことごとく失敗し、戦力の底上げはほとんどできなかったのが痛い。特に野手陣の貧弱さを解消することはできず、今季も得点には苦しみそう。一方、投手陣は十分な戦力があります。特に先発陣の充実ぶりはメジャー屈指といえます。打線に期待ができない分、投手陣のでき具合が今季のエンゼルスの命運を握っているといえるでしょう。

2011年2月14日月曜日

ミネソタ・ツインズ





○野手陣(数値はビル・ジェームズによる予測値)
・予想ラインナップ

中 D・スパン    .294 5本 58点 24盗 .757  
二 西岡剛       予測値なし
捕 J・マウアー   .338 15本 87点 3盗 .927
一 J・モルノー   .294 27本 101点 0盗 .905
左 D・ヤング    .306 19本 93点 8盗 .827
右 M・カダイアー  .276 16本 70点 5盗 .802 
指 J・トーミ     .247 17本 47点 0盗 .882
三 D・バレンシア  .290 10本 62点 3盗 .771
遊 A・カシーヤ   .268 1本 16点 8盗 .668

・控え選手
捕 D・ビューテラ  .236 6本 28点 3盗 .667
内 M・トルバート .249 4本 28点 6盗 .683
外 J・レブコ    .241 6本 25点 6盗 .693
外 J・クーベル  .276 23本 92点 1盗 .835

長打力はそれほどないものの、つながりのいい打線。西岡が加わったことにより例年余りつかえていなかった機動力も駆使できるようになりました。中軸もマウアーやモルノーに加え、ヤングやカダイヤー、クーベルなどしぶとい仕事人的な選手が多くそろっており、非常に厄介。不安要素は控え選手の層がやや薄くなったことと、モルノーの回復具合。内野の貴重なバイプレーヤーだったプントの退団は少し痛いように思います。また、昨季脳震とうで離脱したモルノーは今のところ順調に回復している模様で、開幕に間に合うことが期待されます。



○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)

・先発投手
F・リリアーノ     31試合 13勝8敗 190回 防3.69 W1.30 195/66
S・ベイカー     26試合 9勝8敗 152回 防4.03 W1.29 121/37 
C・パバーノ     31試合 12勝11敗 199回 防4.16 W1.31 121/40
K・スローウィー   26試合 8勝7敗 132回 防4.02 W1.27 102/24
B・ダンジング    43試合 10勝10敗 180回 防4.30 W1.41 111/55
N・ブラックバーン  27試合 9勝10敗 166回 防4.55 W1.40 81/38

・救援投手
M・キャップス    73試合 4勝4敗38セーブ 76回 防3.55 W1.24 61/16
P・ニシェック    62試合 4勝2敗0セーブ 57回 防3.32 W1.21 61/20
J・ミハレス     44試合 2勝1敗0セーブ 30回 防3.90 W1.37 28/15
J・ネイサン     68試合 6勝1敗34セーブ 68回 防1.99 W1.01 82/22

先発陣は小粒ながらしっかりとしている印象。他チームと違って先発投手を6人挙げたのはリリアーノにトレードの噂があるため。今のところ先発陣の層の薄いヤンキースが移籍先として挙がっており、注目されます。それでも、彼以外の5人もまずまず安定感があり、移籍が実現しても致命傷にはならないはずです。一方、ガリアーやクレインなどが抜けたブルペン陣は手薄な状況。故障明けのニシェックやネイサンはどれほど調子を取り戻せるか心配。特にネイサンは今季37歳となるだけに、かつてのようにクローザーを勤め上げれるかどうかは不透明です。今のところ若手の起用で穴を埋める予定ですが、リリアーノ放出の見返りとして、救援投手を獲得するのも一つの手でしょう。


○総評
やや、打高投低の印象があるものの、全体的なバランスが良く、今季もプレーオフ進出は十分狙える戦力だと思います。選手層がやや薄くなったことは気がかりですが、名将ガーデンハイアーがうまく選手をやりくりしていくでしょう。あと、新加入の西岡には30盗塁以上は目指してほしいです。

2011年2月12日土曜日

カンザスシティ・ロイヤルズ





○野手陣(数値はビル・ジェームスによる予測値)

・予想ラインナップ
中 M・カブレラ    .262 9本 50点 9盗 .718
二 M・アビールズ  .287 11本 58点 12盗 .734
一 K・カアイフーイ .254 22本 76点 1盗 .826
指 B・バトラー    .307 18本 89点 0盗 .853
右 J・フランコア   .267 13本 63点 5盗 .743
三 W・ベテミット      .261 21本 86点 1盗 .774
左 A・ゴードン    .264 19本 65点 9盗 .811
捕 J・ケンドール   .252 1本 32点 7盗 .636
遊 A・エスコバル  .272 5本 46点 20盗 .682

・控え野手

捕 B・ペーニャ   .249 4本 27点 3盗 .727
内 C・ゲッツ    .264 2本 21点 13盗 .679
内 M・ムースタカス      予測値なし
外 G・ブランコ   .262 1本 13点 9盗 .698
外 M・マイアー   .267 6本 42点 5盗 .714

打線はかなり貧弱。つながりはそこそこいいものの、全体的にパワーが足りず、迫力に欠ける印象があります。チームの顔となりつつあるバトラーもせめて20本塁打はクリアしてほしいところ。また、元有望株のゴードンもいいかげん本領発揮もらいたいと思います。機動力もいまひとつ。新加入のエスコバーも足は速いものの出塁能力が低く、十分にその力を発揮できるかは微妙です。また、フランコアーなど、フリースインガー系の選手が多いのも気がかりです。一方、一塁のレギュラーが期待されるカアイフーイはマイナーでの通算出塁率が打率より1割以上高く、攻撃面で大きな貢献が期待できるでしょう。

○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手
B・チェン     33試合 9勝11敗 177回 防4.37 W1.37 125/64
K・デービス   33試合 8勝13敗 197回 防4.89 W1.45 140/92 
L・ホッチバー  25試合 7勝11敗 139回 防4.99 W1.45 90/48
V・マザーロ   26試合 6勝8敗 131回 防4.05 W1.37 95/48
J・フランシス  18試合 4勝5敗 87回 防4.45 W1.40 59/27

・救援投手
R・テヘダ   45試合 3勝3敗0セーブ 51回 防4.06 W1.45 46/29
B・ウッド    52試合 2勝4敗0セーブ 52回 防5.19 W1.60 36/22
D・ヒューズ  51試合 2勝4敗0セーブ 55回 防4.75 W1.56 39/26
J・ソリアー  65試合 4勝3敗46セーブ 67回 防2.42 W1.04 74/18

投手陣ははっきり言ってリーグ最低レベル。先発・ブルペンともに人材不足です。先発陣はグリンキー、メッシュ、バニスターが抜けて一気に層が薄くなった印象。エース的存在のチェンもこのチームでなければ3番手以降の投手。ロッキーズから加入のフランシスには期待がかかります。救援陣も層が薄くクローザーのソリアーにつなぐセットアッパーがいない状況。今季も台所事情は苦しそうです。

○総評
投打ともに層が薄く、今季も苦戦は必至。最下位は避けられない状況で、2006年以来となる100敗の可能性も十分にあります。今季はムースタカス、カアイフーイ、ホスマーら若手野手の定着・成長のほうが注目。マイナー組織はメジャートップクラスであるだけに今季は将来の足固めの年として重要になってくるでしょう。

2011年2月11日金曜日

デトロイト・タイガース




○野手陣
・予想ラインナップ(数字はビル・ジェームスによる予測値)

中 A・ジャクソン   .297 6本 62点 28盗 .766
二 W・ライムス    .276 1本 21点 9盗 .682  
一 M・カブレラ    .322 37本 126点 4盗 .988
右 M・オルドネス   .306 17本 82点 2盗 .847 
指 V・マルティネス  .298 19本 88点 1盗 .841
左 R・レイバーン   .284 23本 87点 7盗 .838
遊 J・ペラルタ    .264 18本 84点 1盗 .752
捕 A・アビラ     .249 12本 48点 2盗 .749
三 B・インジ     .230 14本 57点 3盗 .695

・控え野手

内 R・サンティアゴ .244 5本 34点 3盗 .642
内 S・サイズモア  .277 10本 41点 5盗 .781
外 B・ボッシュ    .273 18本 75点 8盗 .793
外 C・ギーエン   .279 12本 59点 4盗 .794

打撃レベルは高く、得点能力はリーグ屈指。カブレラ以外は地味な印象も有りますが、どの選手も勝負強く、イヤな打者が多いと思います。若手のサイズモアからベテランのサンティアゴ、ギーエンといった控え選手の層も厚く、故障者が出てもあまり心配なさそう。左翼のレギュラーはボッシュかレイバーンかで迷いましたが、ボッシュが昨季後半に急失速したことや単純な成績比較からレイバーンをレギュラーにしました。ただ、どちらもレギュラー格だと思うのでSTやオープン戦での成績次第といった感じでしょう。全体的にいい攻撃陣ですが、欠点をあげるとすれば機動力のなさ。また、下位打線の選手に選球眼の悪い選手が多いのも難点です。


○投手陣(右端の数字は奪三振/与四球)
・先発投手
J・バーランダー  33試合 15勝10敗 226回 防3.46 W1.24 209/74
M・シャーザー   31試合 13勝10敗 205回 防3.56 W1.26 209/75
R・ポセーロ    29試合 10勝11敗 188回 防4.21 W1.36 102/52
B・ペニー     18試合 6勝7敗 105回 防4.33 W1.37 72/32  
A・オリバー        予測値なし

・救援投手
J・ベノワ     65試合 4勝3敗0セーブ 65回 防2.91 W1.14 67/24
J・ズマヤ     41試合 3勝3敗1セーブ 47回 防3.93 W1.36 40/19
P・コーク     69試合 4勝3敗1セーブ 63回 防3.57 W1.32 56/23
R・ペリー     67試合 4勝4敗1セーブ 77回 防3.97 W1.39 65/37
J・バルバディ  49試合 4勝2敗26セーブ 57回 防3.00 W1.21 64/25 

野手と比べ投手陣は層が薄い印象。先発3番手までは確定的ですがそれ以降は未定。故障明けのペニーがちゃんと働いてくれるかは微妙ですし、期待のオリバーも実績皆無。完全試合未遂男のガララーガを放出したのは痛いです。救援投手はまずまずの陣容。昨季レイズで大活躍のベノワの加入は大きい。若手のペリーやコークなどタフな投手が多いのは心強いと思います。総合的にはポストシーズンを戦うには少し心もとない投手陣だといえます。

○総評
攻撃陣はリーグ屈指。マルティネスが加入し打線はさらに厚みを増しました。三振をよくする選手が多いの気がかりですが、シーズンを勝ち抜くには十分な打線だといえます。対照的に投手陣は少し頼りない印象。先発陣は3番手以降は実績の少ない若手や峠を過ぎたベテランが候補に挙がっており、層の薄さが懸念されます。救援陣はまずまずですが、飛び抜けた選手がいないのが難点でしょう。総合的には、地区優勝するだけの戦力は整っていますが、プレーオフで勝ち抜くには難しいと思います。

2011年2月9日水曜日

クリーヴランド・インディアンズ




○野手陣(数字はビル・ジェームズによる予測値)
・予想ラインナップ

中 G・サイズモア   .265 23本 81点 23盗 .810
遊 A・カブレラ     .292 8本 53点 13盗 .762
右 秋信守       .299 20本 85点 19盗 .873
指 T・ハフナー     .268 16本 61点 1盗 .838
一 M・ラポータ     .257 22本 77点 1盗 .773
捕 C・サンタナ     .280 22本 91点 7盗 .854
左 M・ブラントリー   .268 5本 46点 32盗 .683
三 J・ニックス     .237 9本 28点 5盗 .691
二 J・ドナルド     .261 5本 21点 10盗 .714

・控え選手
捕 L・マーソン     .241 3本 21点 6盗 .675
内 L・バルブエナ   .245 11本 51点 7盗 .696
外 A・カーンズ     .246 7本 32点 2盗 .751
外 S・ダンカン     .253 12本 40点 1盗 .811


昨季は総得点がリーグワースト3位と貧打に泣きましたが今季も得点には苦労しそう。安定した成績が見込めるのは秋くらいで、他の選手は波が大きかったり、故障が多かったりと年間フルに実力を発揮できるかは怪しい状況。機動力はまずまずですが、打線のつながりが悪く、パワーも少ないのであまり得点が期待できる打線とは言えません。そんな打線において注目すべき点は若手の成長。強打の捕手であるサンタナや大砲候補のラポータにかけられる期待は大きいはず。特にラポータは昨季期待されながら低調な成績に終わっているために奮起が期待されます。また、昨季ケガによりキャリア最低の成績に終わったサイズモア選手の復調具合にも注目。チームの顔ですが、契約は今季限り。今季復活して好成績を残せば、夏にトレードに出される可能性が高い。もしそうなった場合はかなりの有望株を見返りに獲得できそうなので要注目です。


○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手
F・カモーナ     33試合 11勝14敗 224回 防4.26 W1.41 139/82
J・マスターソン   35試合 9勝10敗 175回 防4.11 W1.41 147/73
C・カラスコ      17試合 4勝6敗 89回 防4.45 W1.42 79/34
M・ダルボット    25試合 6勝9敗 137回 防4.73 W1.51 102/53 
D・ハフ       21試合 6勝9敗 113回 防4.98 W1.48 66/40


・救援投手
T・シップ    71試合 4勝4敗0セーブ 68回 防3.71 W1.32 81/36 
J・スミス    62試合 3勝3敗0セーブ 48回 防3.56 W1.40 41/25
F・ハーマン  45試合 3勝3敗0セーブ 56回 防4.02 W1.36 35/15
C・ペレス   59試合 4勝3敗31セーブ 64回 防3.23 W1.27 72/35


投手陣も迫力に欠ける印象。先発に発展途上の若手が多いので仕方のないことですが今季も台所事情は苦しそう。サイズモアと同じく、今季で契約の切れるカモーナも成績いかんでは今夏のトレード市場に出されそうです。救援陣はまずまず。セットアッパーのシップ、クローザーのぺレスのリレーは盤石なものとなりつつあります。二人は奪三振能力が高く、この位置にはもってこいの投手といえます。


○総評
投打ともに明らかに戦力不足。今季も若手の育成が中心でしょう。そんな中注目なのは前述したサイズモアとカモーナの処遇。二人とも実力通りの成績を出せば夏のトレード市場での目玉になるはずなので、それに伴う見返りも相当なものとなりそう。かつて、サバシアを放出してラポータを獲得したり、さらに過去をさかのぼるとバートロ・コロンら2人を放出し、サイズモア、クリフ・リー、レッズで活躍するブランドン・フィリップスを獲得するなどトレード上手で知られる球団名だけに、どんな有望株を引き連れてくるのか楽しみです。

2011年2月8日火曜日

シカゴ・ホワイトソックス





○野手陣(数字はビル・ジェームスによる予測値)
・予想ラインナップ

左 J・ピエール      .283 1本 42点 52盗 .675
遊 A・ラミレス       .280 18本 78点 12盗 .751
中 A・リオス        .280 18本 77点 25盗 .786
指 A・ダン         .247 39本 102点 2盗 .892
一 P・コネルコ      .273 32本 96点 0盗 .857
右 C・クエンティン    .261 28本 92点 3盗 .853
捕 A・J・ピアジンスキ  .276 12本 59点 2盗 .718
二 G・ベッカム      .273 15本 77点 6盗 .779
三 B・モレル       .291 13本 60点 10盗 .775

・控え選手

捕 T・フラワーズ          予測値なし
内 D・ビシエド      .264 6本 16点 1盗 .743
内 O・ビスケル     .247 1本 18点 5盗 .620
外 M・ティーエン    .269 9本 51点 5盗 .743


ダンの加入により、打線の破壊力はメジャー屈指になりました。ダン、コネルコ、クエンティンには3人で100発を狙ってほしい。また、ピエールやリオスらに代表されるように足を使える選手も多く、機動力も抜群。相手にとっては非常に嫌な打線となりました。弱点は四球を選べる選手が少ないこと。リオスやピエールにその傾向が強いことは気になります。下位打線はともかく、上位を打つ選手の出塁能力は非常に重要。2人とも高打率を期待できる打者ではないので、もう少し打席で辛抱してほしいところです。印象的には、「昨季のブルージェイズ打線に機動力が加わった」という感じでしょうか。


○投手陣(右端の数値は奪三振/与四球)
・先発投手
J・ダンクス    31試合 12勝12敗 216回 防3.92 W1.33 173/77
G・フロイド    29試合 9勝11敗 179回 防4.42 W1.41 136/66
M・バーリー   33試合 12勝13敗 222回 防4.01 W1.32 121/49
J・ピービー   25試合 10勝7敗 149回 防3.50 W1.17 148/48       
E・ジャクソン  31試合 9勝13敗 202回 防4.54 W1.47 152/86


・救援投手
J・クレイン   73試合 5勝3敗0セーブ 71回 防3.55 W1.34 55/28
T・ペーニャ   48試合 6勝7敗0セーブ 120回 防4.28 W1.40 80/40
W・オーマン   57試合 2勝2敗0セーブ 39回 防3.92 W1.38 38/19
M・ソーントン  57試合 4勝3敗2セーブ 61回 防2.95 W1.23 68/25 


先発陣の顔ぶれはこの5人でほぼ確定的。昨季に右肩を手術したピービーは5月ごろに復帰の予定。それほど奪三振能力の高い選手がこのチームにはいないので期待も大きいはず。ジェンクスの抜けた救援陣はやや層が薄い印象。絶対的に安定した選手がおらず(去年からですが)、盤石とは言い難い状況です。新守護神には、今季35歳になるソーントンがはいる予定。奪三振能力が高く、クローザーにはもってこいの人材といえます。


○総評
打線の力はメジャートップクラス。長打力、機動力ともに高い水準にあり相手にとってはかなり脅威。投手陣も先発陣に実力者がそろっており安定感があります。弱点なのは救援陣と守備で、特に守備面では、バーリーなど軟投派・技巧派の投手の足を引っ張らないか心配です。そういった意味では名手ビスケルとの再契約は正解です。ただ、総合的な力は地区トップクラスで地区優勝は十分に可能。あとはポストシーズンで勝ち抜くため、救援陣にテコ入れをしとくべきだと思います。

2011年2月7日月曜日

トロント・ブルージェイズ




○野手陣(数字はビル・ジェームスによる予測値)

・予想ラインナップ

中 R・デービス      .287 4本 37点 39盗 .717
遊 Y・エスコバー     .285 8本 60点 6盗 .748
右 J・バティスタ      .251 34本 90点 7盗 .846
一 A・リンド        .281 26本 92点 1盗 .835 
左 J・リベラ        .270 15本 58点 1盗 .768
二 A・ヒル         .260 22本 73点 3盗 .765  
指 T・スナイダー     .273 16本 48点 6盗 .832
三 E・エンカルナシオン .258 22本 67点 2盗 .812
捕 J・アレンシビア         予測値なし

・控え

捕 J・モリーナ      .226 4本 17点 1盗 .611
内 J・マクドナルド    .232 4本 22点 3盗 .606
外 C・パターソン     .252 8本 31点 16盗 .687


昨季は両リーグ最多の257本塁打を放ちましたが、打線のつながりや機動力に欠けたうえ、本塁打もソロか2ランばかりといまいち得点能力の高い打線とは言えませんでした。その反省を生かしてか、オフには昨季アスレチックスで50盗塁を記録したデービスや俊足のパターソンを(マイナー契約ですが)獲得し機動力はかなり上がりました。ただ、この二人はどちらもあまり四球を選ばない選手なのが心配。特にパターソンは出塁率が毎年3割前後の選手なのでレギュラーとしては使いづらい。また、打線全体を見ても、四球の割に三振の多いフリースインガータイプの選手が多く、去年同様打線が「線」として機能する場面は少なそう。ただ、長打力は健在なのでその辺は相手から脅威とされるでしょう。

○投手陣(右端は奪三振/与四球)
・先発投手

R・ロメロ      31試合 12勝12敗 213回 防4.31 W1.42 176/91
B・セシル     28試合 9勝11敗 177回 防4.12 W1.39 140/63
B・モロー     27試合 9勝9敗 162回 防3.78 W1.40 173/86
K・ドレイベック  26試合 10勝9敗 150回 防4.23 W1.31 117/49
M・ゼプチンスキ 21試合 5勝7敗 110回 防4.50 W1.49 111/52


・救援投手
F・フランシスコ  37試合 2勝1敗0セーブ 35回 防3.09 W1.23 40/15
J・フレーザー   68試合 4勝3敗0セーブ 67回 防3.49 W1.31 65/29
J・ラウチ     60試合 4勝3敗0セーブ 58回 防3.57 W1.29 48/18
S・キャンプ    69試合 4勝4敗4セーブ 69回 防4.17 W1.35 50/20
O・ドーテル    72試合 4勝4敗0セーブ 68回 防3.84 W1.31 84/32


エースだったマーカムが抜けたものの、先発陣はまずまずの顔ぶれ。3番手以降は未定ですが、この若い2投手の台頭が予想されます。グレッグ、ダウンズが抜け弱体化が懸念された救援陣もFA市場からラウチやドーテルらを獲得。さらにエンゼルスからトレードで獲得したナポリをすぐさまレンジャーズに放出し見返りにフランシスコを獲得するなど、ブルペンの層はかなり厚くなりました。ただ、絶対的な選手はおらず、クローザーやセットアッパー選びには苦労しそうです。


○総評
投打ともにまずまずのメンバーがそろっているものの、レベルの高いア・東地区で勝ち抜くのは難しい印象。打線は長打力は抜群ではあるものの、つながりが悪く、出塁能力も低いため、昨季同様あまり得点効率のいい攻撃はできなさそう。投手陣は層が厚いもののややインパクトに欠ける。いずれにせよ、本格勝負をかけるのは若手がもう少し成熟してから、という感じではないでしょうか。

2011年2月6日日曜日

タンパベイ・レイズ




○野手陣
・予想ラインナップ(数字はビル・ジェームスによる予測値)

左 D・ジェニングス  .280 6本 50点 54盗 .758
右 B・ゾブリスト    .269 13本 61点 16盗 .800   
三 E・ロンゴリア    .295 31本 115点 13盗 .916
指 M・ラミレス     .290 23本 84点 1盗 .904
一 D・ジョンソン    .255 18本 59点 0盗 .840
中 B・J・アップトン  .255 16本 63点 40盗 .764
捕 J・ジェイソ     .266 7本 48点 3盗 .752
二 S・ロドリゲス   .262 16本 57点 12盗 .784
遊 R・ブリニャック  .257 9本 43点 5盗 .713

・控え

捕 K・ショパック   .240 13本 43点 0盗 .767
外 J・デーモン    .271 12本 57点 11盗 .759
外 M・ジョイス    .258 18本 63点 5盗 .844


クロフォード、ペーニャが抜けたことにより打線が弱体化。また、バートレットやアイバーらといった内野手も退団しており、内野の層はかなり薄い状況。ロンゴリア以外の選手はレギュラーが保障されているわけではなく、ゾブリストが内野を守る場面が去年以上に多くなりそう。今年は再建優先の年ですがいくらなんでも内野陣にはテコ入れが必要でしょう。その反面、外野陣はそこそこ層が厚い印象。デーモンは現状では有望株ジェニングスのバックアッパー扱いでしょうが、ゾブリストが内野に回るときには出場機会が多くなるはず。ジョイスにも同様のことが言えますし、ラミレスの休養日には指名打者としての起用も多くなると思います。何より注目なのはマニー・ラミレス。「お金なんてどうでもいい。まだやれるということをこのチームで見せたい。」と入団会見で語っていたように今年はかなりやる気がある模様。本気を出した時の彼の爆発力は恐ろしいものがあるので期待できそう。また、ジェニングスの成長にも注目。予測値はかなりオーバー気味に出ていますが、これくらいの成績を残せれば大したもの。クロフォードの穴はすぐに埋まりそうです。


○投手陣(右端の数字は奪三振/与四球)
・先発投手

D・プライス       32試合 14勝10敗 217回 防3.57 W1.27 191/87
J・シールズ      34試合 11勝11敗 204回 防4.06 W1.29 170/47
J・ニーマン      28試合 8勝8敗 147回 防4.10 W1.35 119/56
W・デービス      27試合 9勝9敗 163回 防4.09 W1.38 132/67
J・ヘリクソン     26試合 11勝7敗 161回 防3.47 W1.17 170/47

・救援投手

K・ファーンズワース 62試合 4勝3敗0セーブ 62回 防3.92 W1.32 64/24
A・ソナンスタイン  36試合 4勝5敗0セーブ 88回 防4.40 W1.36 60/22
J・P・ハウエル    57試合 3勝3敗5セーブ 56回 防4.02 W1.36 55/23 


先発陣は駒はそろっているもののイマイチインパクトに欠ける印象。プライスはともかく、シールズは安定感に欠けますし、3番手以降は地味。それゆえ、新人のへリクソンや若手のデービスらの成長には大きな期待がかかります。昨季50登板以上した6投手が全員退団したブルペンもかなり手薄な状況。通算防御率が4点台のファーンズワースがセットアッパーなのには不安があります。また、今のところ抑えはハウエルが入る予定ですが昨季はケガのため登板なし。復調具合が気になります。


○総評
戦力は昨季から大幅ダウン。投打ともに万全の状況とは言えず、今季は苦しみそう。大きく負け越すことはないでしょうが、プレーオフは厳しいかもしれません。

2011年2月5日土曜日

ニューヨーク・ヤンキース




○野手陣
・予想ラインナップ(数字はビル・ジェームズによる予測値)

左 B・ガードナー    .277 5本 46点 50盗 .748
遊 D・ジーター     .295 13本 68点 17盗 .775
一 M・テシェーラ    .282 36本 120点 1盗 .915
三 A・ロドリゲス    .284 35本 116点 10盗 .911
二 R・カノー       .308 24本 95点 3盗 .858
右 N・スウィッシャー  .257 27本 83点 1盗 .831
指 J・ポサーダ     .260 16本 60点 2盗 .817
捕 R・マーティン    .266 9本 56点 10盗 .746
中 C・グランダーソン .264 25本 73点 14盗 .812

・控え

捕 F・サルベリ     .277 2本 40点 1盗 .709
内 E・ヌエス       .295 3本 24点 12盗 .730 
内 R・ベリヤード    .260 4本 22点 1盗 .715 
外 A・ジョーンズ    .226 18本 52点 5盗 .785

ラインナップの大半がOPS8割越えという強力打線。長打力、機動力ともにメジャートップクラスです。各打者の選球眼もよく、打率以上に打線のつながりは良いと思います。A-RODはもうちょっと数字がほしいところですが、年齢的には厳しいかな。彼を含めジーターなど主力の高齢化は深刻で20代なのはガードナーとカノーくらい。今期中に有望株のモンテロ捕手やヌエス内野手が台頭してくれれば理想的です。あと、指名打者がポサーダなのは頼りないので、この辺もテコ入れしてくるかもしれません。



○投手陣(右端の数字は奪三振/与四球)
・先発投手

C・C・サバシア   34試合 18勝8敗 236回 防3.32 W1.19 202/65
P・ヒューズ     32試合 12勝9敗 177回 防3.56 W1.24 166/60
A・J・バーネット  33試合 12勝9敗 191回 防4.01 W1.36 177/77
S・ミトレ       32試合 3勝3敗 61回 防4.57 W1.41 38/19
I・ノバ        16試合 4勝5敗 80回 防4.61 W1.53 57/36

・救援投手

R・ソリアーノ    63試合 4勝2敗42セーブ 62回 防2.03 W0.98 68/18 
J・チェンバレン  76試合 5勝3敗6セーブ 76回 防3.79 W1.33 81/30
P・フェリシアーノ 92試合 4勝3敗0セーブ 62回 防3.77 W1.39 57/27
D・ロバートソン  69試合 5勝2敗0セーブ 68回 防3.04 W1.29 89/35
B・ローガン    67試合 2勝3敗0セーブ 45回 防4.40 W1.44 43/20
M・リベラ     61試合 5勝2敗33セーブ 62回 防1.89 W0.94 58/11


やはり先発のコマ不足が目立つ。3番手まではこの顔ぶれで確定ですが(でなければ困ります)それ以降は完全に白紙。昨季登板のなかったコロンが先発候補として名前が挙がってくるように台所事情はかなり厳しそう。ただ今期あまり補強できなかった分、夏のトレードに投資できる資金が十分にあるだろうので、その時にどんな大物を釣ってくるか注目です。あと、開幕前にフィリーズからブラントンをとってくるかもしれません。一方救援陣はまずまずの顔ぶれ。ソリアーノや左腕のフェリシアーノなど先発投手をとれなかった分、いい補強ができました(ただ、ソリアーノに関してはオーナー側の介入があったようで、キャッシュマンGMの意に反したものだった模様。この補強によりNYYは来季のドラフトピックをいくつかTBに譲渡することに)。ただ、いくら救援陣が良くても先発陣が悪くては宝の持ち腐れ。やはり先発陣の補強が急務。このチームの資金力なら今からでも可能です。


○総評
ここ数年と同じく、打高投低という印象。打線は間違いなくメジャー最強レベルにあるとは思いますが投手陣が弱い。シーズンを勝ち抜く力はありますが、ポストシーズンでは難しい。むしろプレーオフ進出も困難な状況にあります。メジャー全体を見ても投手優位の風潮が強まっているので、今のチーム作りは時代錯誤。このチームの場合困った時は補強すればいいのですが、そろそろ若手投手の育成に本腰を入れるころではないでしょうか。

2011年2月4日金曜日

ボストン・レッドソックス



○野手陣
・予想ラインナップ(数字はビル・ジェームズによる予測値)

左 C・クロフォード     .300 14本 71点 42盗 .803
二 D・ペトロイア      .297 17本 77点 16盗 .834
一 A・ゴンザレス     .285 33本 102点 0盗 .890 
三 K・ユーキリス     .294 25本 95点 5盗  .905
指 D・オルティーズ    .261 33本 112点 0盗 .850
右 J・D・ドリュー     .263 22本 77点 3盗 .830
遊 M・スクータロ     .266 10本 60点 6盗 .713
捕 J・サルタラマッキア .249 12本 43点 1盗 .745
中 J・エルズベリー   .300 8本 58点 59盗 .764

・控え

捕 J・バリテック    .228 9本 33点 0盗 .710
内 J・ラウリー     .270 17本 75点 4盗 .828
外 M・キャメロン    .239 18本 58点 7盗 .752

打線の得点力はメジャー最強。予測値はやや控えめですがゴンザレス、ユーキリスはもっと打点・本塁打を稼げるはず。何よりも楽しみなのはゴンザレスの成績。左打者に有利なフェンウェイ・パークでは40本塁打は堅いと思います。前を打つ打者の出塁能力も高く、120打点前後くらいは挙げられるのではないでしょうか。またクロフォードの加入により機動力も抜群。シーズン200盗塁も可能です。さらに、ベンチにはラウリーやキャメロンがおり、控えの層も厚い。唯一心配なのは捕手。現状ではサルタラマッキアが正捕手候補となっていますが実績はほぼゼロ。この予測値通りの数字を残せるかは疑問です。ベテランのバリテックがベンチにいるのは心強いですが、やはり彼に代わる捕手が出てこないと将来的にも響いてくるので注目です。



○投手陣(右端は奪三振/与四球)
・先発投手

J・レスター     31試合 14勝9敗 204回 防3.53 W1.27 193/82
J・ベケット     26試合 10勝9敗 168回 防3.86 W1.27 155/49
C・バックホルツ  29試合 13勝9敗 193回 防3.54 W1.28 168/74
J・ラッキー     33試合 13勝12敗 227回 防3.89 W1.31 179/68
松坂大輔      27試合 10勝9敗 173回 防3.85 W1.34 158/73


・救援投手
B・ジェンクス   47試合 3勝2敗0セーブ 49回 防3.12 W1.24 48/17
D・バード     71試合 6勝3敗0セーブ 76回 防2.72 W1.16 90/34
D・ウィーラー  63試合 3勝2敗0セーブ 47回 防2.87 W1.11 42/14
岡島秀樹    52試合 3勝2敗0セーブ 44回 防3.68 W1.30 38/15
J・パペルボン 66試合 5勝3敗41セーブ 69回 防2.61 W1.09 76/20



豪華な攻撃陣に引けを取らない顔ぶれ。ただ、予測値とはいえ先発陣の成績(特に勝敗と投球回数)は明らかに物足りない。昨季けがに苦しんだベケットと松坂、不振のラッキーには奮起してもらわないと困ります。とはいえ、先発陣はこの面子で確定的。彼らの実績を考えるとフィリーズに引けを取らない豪華先発陣といえるでしょう。あとは彼らが本領発揮してくれれば・・・、という感じです。昨季足を引っ張った救援陣にはジェンクスやウィーラーが加わり厚みが増しました。抑えは今のところパぺルボンですが場合によっては昨季台頭したバードが入る可能性もあります。総合的に見て救援陣もほぼ盤石な布陣だといえます。



○総評
オフの補強に面白いように成功し、投打ともに盤石の布陣を築くことができました。あとは故障者さえ出なければ08年以来の地区優勝はほぼ確実。100勝以上あげることも期待できます。もっともこのチームの目標は地区優勝ではなく世界一。ここ7年で3度目の栄冠に向けて、良いスタートを切ることができたといえます。

2011年2月3日木曜日

ボルティモア・オリオールズ

今日からは各球団の戦力予想をしていきたいと思います。まずはオリオールズから。



○野手陣
・ラインナップ(数字はビル・ジェームズによる予測値)

二 B・ロバーツ    .279 9本 49点 24盗 .770
右 N・マーケイキス .300 17本 87点 7盗 .840
一 D・リー       .278 23本 84点 3盗 .840
指 V・ゲレ―ロ    .304 26本 98点 4盗 .868
左 L・スコット     .266 27本 80点 2盗 .852
三 M・レイノルズ   .233 35本 94点 9盗 .827
中 A・ジョーンズ   .288 21本 77点 9盗 .801
捕 M・ウィータース  .288 16本 74点 0盗 .809
遊 J・ハーディー   .263 16本 62点 1盗 .753


・控え
捕 C・テイタム    .231 1本 12点 0盗 .597
内 C・イズテュリス .249 1本 28点 10盗 .600
内 J・ベル      .273 21本 74点 3盗 .787
外 N・ライモルド  .270 22本 70点 11盗 .804
外 F・ピエ      .281 6本 29点 6盗 .760


昨季の得点数はリーグワースト2位の613点。しかし、オフに精力的に動いた結果今季は平均並みの打線になりそうです。昨季ケガでシーズンの多くを棒に振ったロバーツの復活が一つのカギ。予測値では24盗塁となっていますが、彼には40盗塁ぐらい狙ってもらいたい。ラインナップを見る限る彼ぐらいしか走れる選手がいないので、攻撃のバリエーションを広げる意味でも頑張ってほしい。また、レイノルズの獲得も長打力不足のチームには朗報。本格派投手の多いア・東地区でどのくらい三振するのかもある意味注目です。ここには名前がありませんが有望株のジョシュ・ベルの成長にも期待。リーは一年契約なので、この補強はベルの成長待ちのためのものであることは明らか。2012年にレギュラー一塁手となれれば最高でしょう。


○投手陣(右端は奪三振/与四球)
・先発投手
J・ガスリー     31試合 11勝12敗 201回 防4.12 W1.31 123/63
B・マティス     31試合 10勝10敗 181回 防3.88 W1.33 154/62
B・バーゲンセン  30試合 10勝12敗 198回 防4.27 W1.36 98/52
J・アリエタ     20試合 6勝8敗   122回 防4.57 W1.49 94/57
C・ティルマン   13試合 3勝4敗   70回  防4.37 W1.43 58/27

・救援投手
K・グレッグ    64試合 3勝3敗28セーブ 58回 防3.57 W1.33 54/25   
A・サイモン    50試合 2勝4敗0セーブ 50回 防6.12 W1.62 33/19
M・ゴンザレス  44試合 3勝2敗0セーブ 38回 防3.08 W1.26 45/18
上原浩治    58試合 4勝3敗31セーブ 64回 防2.81 W1.05 57/8


攻撃陣と比べてかなり地味な予測値にみな落ち着いています。これを見る限りガスリーやマティスら若手先発投手の開花はまだ先ということでしょう。4番手以下の投手がなかなか出てこないのも難点。救援陣でグレッグと上原がほぼ同数のセーブ数を挙げるているのは、今季もグレッグがブルージェイズにとどまると想定した場合の予測値だから。おそらく上原がクローザーを務めることになりそうです。64イニングで8四球というのは驚異的な数字だと思われます。一方、セットアッパーはかなり手薄な状態。母国で発砲事件を起こし拘留中のサイモンですが、予測値だけを見ると戻ってこない方がいいのでは?とにかく、今年も投手陣のやりくりには苦労しそうです。


○総評
大型補強により打線の強化には成功したものの、依然として投手陣は手薄かつ不安定。打撃レベルの高いア・東地区においてこの投手陣ではいくら打線が良くても勝ち抜くことは困難だと思います。そういった点から考えると今季も再建イヤーであることには変わりないでしょう。今季は90敗しなければ合格ではないかと思います。

2011年2月1日火曜日

2011年順位予想 ~西部地区編~

西部地区の順位予想です。


まずは、ア・リーグから。


1、オークランド・アスレチックス
2、テキサス・レンジャーズ
3、ロサンゼルス・エンゼルス
4、シアトル・マリナーズ


この地区も思いきってみました。アスレチックスは何と言ってもメジャー最強クラスの投手陣が強み。ケイヒル、ブレイデン、ゴンザレスの3本柱に、アンダーソンが台頭すれば先発陣は盤石。元々優秀だった救援陣もバルフォア、フエンテスを獲得してさらに厚みを加えました。昨季は足を引っ張った打線も松井、ウィリンガムらを加え迫力が増しました。また、昨季75試合の出場ながら32盗塁を記録したクリスプや29盗塁のベニントンなど足が使える選手も多く、かつてのアスレチックスと比べて攻撃のバリエーションも多くなりました。有望株のクリス・カーターの成長にも注目。また、守備力も高く、まさに昨季のジャイアンツと同系のチームです。FAの目玉選手だったベルトレーを獲得したレンジャーズは今季も強力打線が武器。昨季MVPのハミルトンが先日肺炎で入院するなど万全の体調でシーズンを過ごせるかは大いに不安ですが、キャリアを通じてテキサスの球場で好成績を残しているベルトレーやクルーズ、キンズラー、ヤングなど好打者を多く擁しており、破壊力では地区内で頭一つ以上抜けています。心配なのは投手陣、リーがいなくなった先発陣はルイス・ウィルソンらがいるもののそれほど怖い印象は受けません。救援陣では昨季抑えを務めたフェリースに先発転向の噂がありその辺も注目です。オフの補強に失敗したエンゼルスですが、もともとの選手層は悪くない。かといって突出した選手がいるわけでもなく、かつてのような強さはもうないといってもいいでしょう。打撃陣は、ウェルズを獲得しましたが昨季のOPSが8割4分8厘と前任の松井(同8割2分)とさして変わらない成績なのが難点。年齢的にもこれ以上の伸びは見込まれないのでこの補強は微妙。むしろジェイズで不良債権化していたウェルズの契約を押しつけられた印象も有り今季の補強失敗とあいまってGMのリーギンスの評価はがた落ちでしょう。一方の投手陣はまずまずといった印象。ウィーバー、ヘイレン、サンタナらによる先発陣はそこそこ優秀ですし、ブルペン陣では高橋、ダウンズを迎え入れ底上げに成功しました。投打ともに秀でた点が見られないので、チーム成績は名将ソーシアの采配次第といった感じでしょうか。昨季「歴史的貧打」に悩まされたマリナーズは今季も苦しそう。打線はカストを獲得したもののブラニヤンが抜けているため長打力は相変わらずメジャー最低水準。昨季不振だったフィギンズやグティエレスはさすがに調子を取り戻してくるでしょうが、今季も得点に苦しむのは確実。スモークの成長や有望株のアックリーのデビューくらいが注目ポイントでしょうか。一方投手陣はそこそこの陣容。先発陣はサイヤング賞のヘルナンデス以外は小粒な軟投派が中心ですがチームの守備力が高いのでまずまずの成績は残せるはずです。ただ、昨季要所で失点を重ねていた印象のブルペン陣は今季も心配です。



続いてはナ・リーグ。



1、サンフランシスコ・ジャイアンツ
2、コロラド・ロッキーズ
3、ロサンゼルス・ドジャーズ
4、サンディエゴ・パドレス
5、アリゾナ・ダイヤモンドバックス



この地区はどの順位も予想が難しい。ジャイアンツは強力投手陣が今季も健在。今季初めてフルシーズンを戦うバムガーナーがどれくらいの活躍を見せるかは注目です。心配なのは攻撃陣。昨季のチーム得点数はリーグ9位にすぎません。プレーオフではロスら脇役がオイシイところで打ちまくりましたがその勢いが今シーズンも継続されるとは思いません。昨季大活躍のハフが隔年で好調・不調を繰り返していることやベテラン打者が多いのも心配点。ポージーやサンドバルら若手の奮起が期待されます。オフにゴンザレス、トロウィツキーと大型契約を結んだロッキーズは今季も地区優勝争いに絡んでくるでしょう。この2人が中軸を担う打線は強力。復活を期すヘルトンや俊足のファウラー、スチュアートらもおり、破壊力はかなりのものでしょう。打者地獄のシアトルから打者天国のコロラドに移ってきたロペスがどんな成績を残すかにも注目です。一方投手陣はやや不安定。有る程度仕方のないことですが、ヒメネス、デラロサ以外の先発陣は手薄。ブルペン陣も層が薄いかなという印象を受けます。オーナーの離婚問題ばかりがオフの話題となったドジャーズですが、戦力的には地区優勝は狙えるはず。カーショウ、黒田、リリー、ビリングズリーによる先発陣はジャイアンツに匹敵する実力を誇ります。ブルペン陣も昨季台頭したクオや新加入のガリアーなどがおりかなり充実した陣容。心配なのは昨季後半に調子を崩したブロクストンくらいといった感じです。一方打線はやや迫力不足。特に外野陣はレギュラーすらまともに決まっていない状態で層の薄さが心配されます。昨季よもやの躍進を果たしたパドレスですが、オフに主砲のゴンザレスを放出し、今季は再建イヤ―に。ただ、ハドソン、バートレットといった好選手を獲得しているように完全に勝負を捨てているといった感じではない模様。それでも、上位3球団と比べると戦力は劣ります。特に打撃陣は貧弱。レギュラー陣に昨季OPS8割以上だった選手がおらず、迫力不足は否めません。機動力がまずまず使えるというところに活路を見出して、スモールベースボールに徹するしかないでしょう。投手陣はまずまずの陣容。昨季台頭したレイトスにはさらなる飛躍が期待されます。かつてのレッズのエース、ハラングの復活にも期待です。



以上、各地区の予想をしてきましたがどうだったでしょうか?これがすべて当たるとは思いませんが、有る程度いい線はいっているんじゃないかなとおもいます。次回からは各球団の戦力予想をやっていきますんでよろしくお願いします。

2011年順位予想 ~中部地区編~

続いて中部地区です。この地区は両リーグともに上位陣の力が拮抗していてなかなか予想が難しかったです。


まずは、ア・リーグから。


1、シカゴ・ホワイトソックス
2、ミネソタ・ツインズ
3、デトロイト・タイガース
4、クリーブランド・インディアンズ
5、カンザスシティ・ロイヤルズ


この地区は最後まで上位3チームの三つ巴が続きそう。ホワイトソックスはコネルコ、クエンティンに加え新加入のダンと30本塁打以上見込める選手が中軸に並ぶ一方、昨季68盗塁のピエール、34盗塁のリオスと機動力も抜群。相手にとってかなり厄介な打線であることは間違いないでしょう。昨季不振だった投手陣も、新エースのダンクス、フロイド、バーリーと実力者ぞろい。これに07年サイヤング賞投手のピービーが復活すれば充実したローテーションとなるはずです。弱点は救援陣と穴の多い守備。特にバーリーなど軟投派の投手が多いだけに過去三年の一塁手としての通算守備防御点がワースト1位、2位のダン、コネルコを抱える内野守備陣には改善の必要があります。西岡が加入したツインズは投打ともにやや小粒ながらもしぶといチーム。チームの顔であるマウアーに加え、ヤングやカダイヤーのような仕事人的な選手がわきを固める打線はなかなかのもの。脳震とうからの復活が期待されるモアノーにも注目です。リリアーノ、ベイカー、パバーノ、スロウィー、ダンシングという顔ぶれが予想されるローテーションは地味な印象。軟投派が多いだけに西岡、カシーヤの二遊間コンビの守備力は重要になってきます。フエンテス、ラウチが抜けた救援陣もやや心配。故障で昨季を棒に振ったネーサンがどれくらい復調してくるかも注目です。タイガースは今オフ積極的に動いた球団の一つ。野手陣ではビクトル・マルティネスを獲得したほか、昨季63試合で防御率1点台のベノワと3年1650万ドルで契約し弱点だったブルペン陣の補強にも成功しました。しかし、打線はカブレラ頼みの印象が拭いきれませんし、昨季大活躍のジャクソンが今季もその勢いを消え属できるかも怪しいところ(昨季47四球に対して三振は何と170個)。先発陣は大エースのバーランダー、昨季台頭したシャザーの他はやや小粒。ケガからの復活が期待されるペニーには注目です。インディアンズ、ロイヤルズの2球団は今季も再建イヤー。インディアンズはラポータ一塁手やサンタナ捕手らの成長に期待。また、今季限りで契約の切れるサイズモア選手が夏場にトレードされる可能性も有りその辺も注目です。グリンキーの抜けたロイヤルズは最下位必至。投打ともに戦力不足は明らかです。ホスマー、ムースタカスら有望株の昇格・成長には要注目。


続いてはナ・リーグ。

1、ミルウォーキー・ブルワーズ
2、シンシナティ・レッズ
3、セントルイス・カーディナルス
4、シカゴ・カブス
5、ヒューストン・アストロズ
6、ピッツバーク・パイレーツ


この地区も混戦が予想されます。ブルワーズを1位にしたのは期待を込めてのこと。ブルワーズは昨季3人が100打点以上を記録した打線が今季も健在。昨季足を引っ張った投手陣も先発陣にグリンキーとマーカム、ブルペン陣に斎藤隆とテコ入れに成功。投打ともに充実した陣容となりました。今季限りで主砲フィルダーの契約が切れるうえ、今季のトレードにより多くの有望株を失っているため今シーズンが優勝を狙えるラストチャンス。思い切って世界一を期待してみたいと思います。昨季躍進したレッズは今季も地区優勝の有力候補。昨季MVPのボットーをはじめ、スタブスやブルースには今季さらなる飛躍が期待されます。投手陣もアローヨ、昨季台頭したクエト、リークに加え昨季ケガで不本意な成績に終わったボルケスが復活すればかなりの陣容。守備力も高く、投打ともに充実した戦力だと思います。プホルスとの契約交渉が注目されるカーディナルスもチーム力は充実。打線はプホルス、ホリデーに加えバークマンが入り、平均以上の得点力はあると思います。投手陣は非常に充実。昨季サイヤング賞候補のウェインライトに加え、カーペンター、ガルシア、ウェストブルックが並ぶ先発陣はメジャートップクラス。昨季はレッズの若さに敗れた感がありましたが今季はどうでしょうか?昨季よもやの低迷をしたカブスですが、目立った補強はカルロス・ぺーニャをとったくらい。現有戦力では可もなく不可もなくといった感じです。打線はぺーニャが加わりましたが実力は前任者のデレク・リーの方が上なので、昨季とはそれほど変わらないかなという印象。少なくともラミレスは復活してくるはず。ソリアーノはもういいでしょう。投手陣は先発にガーザが加わり底上げされました。救援陣もウッドを呼び戻しテコ入れがなされました。しかし、総合的には投打ともに上位3球団と比べて劣るかなという印象は否めません。昨季後半に躍進したアストロズですが過度の期待は禁物。オズワルト、バークマンといった投打の要を放出した時点で、今季は再建イヤ―となるのが決定的だったと思います。昨季リーグワーストの108本塁打しか打てなかった打線は今季も相変わらず迫力不足。不振だったリーはさすがに復調するでしょうが、それでも平均以下の打線であることには変わりありません。ただ、投手陣はまずまずなので昨季と同じようなチーム成績になるのではないでしょうか。18年連続負け越し中のパイレーツですが、残念ながら今季も最下位確実。打撃陣ではマッカチェンやタバタ、ウォーカーやアルバレスと期待の若手選手が数多くいますが、投手陣は相変わらず壊滅状態。何より、昨季防御率が4点以下だった投手がほとんどおらず、どうし世もない惨上だといえます。この低迷から抜け出せるときはいつ来るのでしょうか・・・・・。



中部地区はこんな感じです。上位陣の並びにはいろいろ意見が分かれそうですが、それはコメントまで。

2011年1月28日金曜日

2011年順位予想 ~東部地区編~

多少早めですが、今季の順位予想をやっていきたいと思います。かなり私の主観が入っているので正当なものではないかもしれませんが、最後までお付き合いください。では、始めます。


まずは、アメリカン・リーグから。

1、ボストン・レッドソックス
2、タンパベイ・レイズ
3、ニューヨーク・ヤンキース
4、トロント・ブルージェイズ
5、ボルティモア・オリオールズ

ボストンの地区優勝は世界一の筆頭候補。ゴンザレス・ユーキリス・オルティ―ズと並ぶ中軸は破壊力満点。さらに、新加入のクロフォードやエルズベリー、ペドロイアなどの機動力も抜群。去年不調だった中継ぎ陣も的確な補強がされました。あとは、昨季低調だったベケット・ラッキー・松坂といった先発投手が奮起すれば地区優勝は堅いと思います。レイズについては賛否両論あると思いますが、私は期待したい。ぺーニャが抜け打線のパワー不足は明らかですが、機動力や小技を駆使してしぶとく得点をとってくるでしょう。新加入のラミレスやトップ・プロスペクトのジェニングスがどこまでやるかも注目です。昨季50登板以上した投手が全員退団した救援陣は心配ですが、先発投手の充実度はトップクラス。昨季からの流れでは投手のよいチームの方が上位に行く傾向が強いのでこの順位にしました。ヤンキースは先発陣のコマ不足が深刻。頼りになるのはサバシアくらいで、ヒューズやバーネットは不安定。あとは無名の新人投手でローテを回すつもりのようですから、なんだかんだで多くのイニングを投げてくれるバスケスの放出は微妙に痛いと思います。打線は強力ですがこの投手力ではポストシーズン進出は困難。シーズン中に大物投手をトレードで取ってこなければいけません。また、ジーターやポサーダら主力選手の高齢化も心配です。ブルージェイズは長年足かせだったウェルズの放出に成功したことが非常に大きい。これで、ドラフトやFA市場に投資できる資金が格段に増えたことだと思います。とはいえ、今季はまだ再建途中。昨季257本塁打した打線の勢いが今年も続くとは思いませんし、マーカムが抜けた先発陣はややコマ不足。中継ぎ陣は依然として優秀ですが、やはりゲームを作れる先発投手が少ないのは困った話です。オリオールズは今オフ積極的に動きましたが、今年勝つための補強というよりかはむしろジョシュ・ベルら有望株が成長するまでの中継ぎといった印象。しかし、確実にチームはいい方向に向かっていると思うので古豪復活は近いと思います。



続いてはナショナル・リーグ。

1、アトランタ・ブレーブス
2、フィラデルフィア・フィリーズ
3、フロリダ・マーリンズ
4、ニューヨーク・メッツ
5、ワシントン・ナショナルズ


かなり思い切った予想をしてみました。確かに豪華先発陣を誇るフィリーズは世界一の筆頭候補。ハラディー・リー・オズワルト・ハメルズの4本柱はメジャー史上に残るものとなるでしょう。一方、ワースの抜けた打撃陣はやや弱体化。アトリー・ハワードに続く5番打者が昨季OPS8割未満のイバニエスというのはかなり迫力不足です。ワースのぬけた右翼には有望株のブラウンが入る予定ですが過度の期待は禁物でしょう。中継ぎ陣が弱体なのも心配です。対するブレーブスは先発陣もベテランのハドソンやロウ、昨季台頭したハンソンやジャージェンスといった若手まで非常に充実した顔ぶれ。救援陣も昨季79試合で防御率1点台のベンタースや昨季防御率0.44のキンブレルらがおり強力。打線も、昨季大活躍のヘイワードに加え、強打の捕手マッキャン、4年連続30発のアッグラ、昨季首位打者争いを演じたプラドら地味ながらもかなり強力なメンツ。これに注目株のフリーマンがいきなり本領発揮となればさらに破壊力は増します。フィリーズの独走を予測する声も多いこの地区ですが、私は最後までこの2球団が激しい優勝争いを繰り広げると思います。ワイルドカードもこの地区から出るでしょう。マーリンズは主砲のアッグラが抜けたことは痛いですが、強打のバックの獲得や昨季打率2位のインファンテを獲得したことは収穫。これにラミレスやサンチェス、スタントンといった選手が並ぶ打線は平均以上の得点力を持っていると思います。特にスタントンが何本ホームランを打つかは注目です。先発陣も昨季防御率トップのジョンソンやノラスコ、FAで獲得したバスケスにサンチェスという顔ぶれの先発陣も強力。さらに左翼候補のモリソンら充実したマイナー組織を誇っていることを考えると数年後にはかなり怖い存在になってくると思います。メッツは昨季足を引っ張り続けた打線の強化が全くできていなません。不振だったジェイソン・ベイはさすがに復調してくると思いますが、同地区の他球団と比べると迫力不足は明らかです。先発投手も肩を手術したエースのサンタナが夏場まで復帰できないのは痛い。ベルフリーやニース、ナックルボーラーのディッキーらには奮起が期待されます。また、GMが今まで不良債権の山を築いてきたミナヤからセイバーメトリクスに精通したアンダーソンに変わったことは今後おおきな収穫となっていくと思います。ワースを獲得し全米を驚かせたナショナルズですが今年も苦戦は必至。投打ともに他の4球団として見劣りしてしまいます。とはいえ、期待のエスピノーザ二塁手やベルナディーナ外野手の成長は楽しみな点。生え抜きのジマーマン、新加入のラローシュ、ワースラもおり攻撃陣はまずまずといった陣容。問題なのは投手陣、昨季よもやの大活躍をしたリバン・ヘルナンデスが現状ではエース扱いですが他球団なら4,5番手レベル。昨季不調だったラナンや24歳のジマーマンらの奮起に期待です。



東部地区の予想は以上です。かなり思い切った予想をしたので賛否両論あると思いますが、コメントは大歓迎ですのでよろしくお願いします。

2011年1月25日火曜日

シーズンオフ総括

いろいろと話題の多かったオフシーズンが間もなく終わり、2月からはスプリングトレーニングが始まりいよいよ球春到来といった感じですね。今年もオフシーズンは各球団で明暗が分かれました。今回は今オフを振り返ってみたいと思います。


今オフ最大の勝者といえるのは間違いなくボストン・レッドソックス。オフの目玉であったカール・クロフォード、エイドリアン・ゴンザレスの両選手の獲得に成功し、メジャー最強の打線を作り上げました。昨季不安定だったブルペン陣も、ジェンクスやウィーラ―らを獲得し投打ともに贅沢なまでに充実したチームになりました。昨季のような故障者続出がなければ、レベルの高いア東部地区でも独走できるかもしれません。また、クリフ・リーを獲得したフィリーズも勝者の一人。結果的に目立った補強はこれくらいでしたがヤンキースやレンジャーズが火花を散らしているすきに上手いこと獲ったためにインパクトは大きかったと思います。これにより、フィリーズの今季の先発投手陣はメジャー史上に残るほど充実したものとなりました。スモールマーケットの球団も負けてはいません。ブリューワーズは09年サイヤング賞投手のグリンキーをトレードで獲得し勝負に出ました。また、今までメジャーナンバーワンの渋チン球団だったマーリンズも12年の新球場オープンに合わせて積極的な補強を行いました。3年連続の最下位からの脱出を目指すオリオールズも効果的な補強ができたといえるでしょう。また、主力選手の多くが流出してしまったレイズもその見返りに来季のドラフト1・2順目指名権を合計11個も獲得。来季ドラフトは大豊作とされているだけに、長いスパンでみると大成功だったと思われます。



一方でオフの敗者といわれてしまっているのがヤンキース。最優先課題であった先発投手の獲得にことごとく失敗し、頼りになる投手といえばサバシアくらい。通算200勝以上挙げているペティットの引退も決定的で先発陣はむしろ弱体化してしまったとさえいえます。打線が強いのでレギュラーシーズンを勝ち抜く力はありますがポストシーズンでの勝利は困難。むしろプレーオフすら危うい状況なので今季途中に大物投手の補強があるかもしれません。同じくニューヨークに本拠を置くメッツも弱点の打線の補強が思うようにできず、目立った補強といえばメジャー屈指のぶんぶん丸であるスコット・ヘアーストンを手に入れたくらい。近年足枷となっていたカルロス・ベルトランやルイス・カスティーヨとの契約が今季で切れることは朗報ですが、ジェイソン・ベイとの契約が2013年まで残っており頭の痛い話です。ロサンゼルスの2チームもオフの補強に失敗。外野手の補強が最優先であったエンゼルスは狙っていたクロフォードやワースといった大物選手の獲得に失敗。結局は松井秀とさして実力は変わらないのに年棒がその4倍もあるウェルズをトレードで獲得するという結果に。しかも残りの契約の4年8600万ドルの支払いをブルージェイズから押し付けられ踏んだり蹴ったりといった感じです。ドジャーズに至ってはオーナー夫妻の離婚問題が泥沼化し補強どころではなかったという惨状。左翼のポジションを貧打のトニー・グウィンJrや昨季3年ぶりのメジャーに復帰したジェイ・ギボンズ、元巨人のゲーブ・キャプラーが争っているというのだからひどい話です。投手陣はジャイアンツと引けを取らないだけに打線の補強ができなかったのは痛いと思います。


ここまで、オフの補強状況について書いてきましたが必ずしも補強の成果がチーム成績に表れるとは限りません。昨オフの勝者とたたえられたマリナーズがシーズン101敗したのはそのことを如実に示しています。どの球団もオフの勝者ではなく10月の勝者を目指しているわけですから、これから先どうなっていくのか見守っていきたいと思います。

2011年1月23日日曜日

ここ数日の動き

○エンゼルス、バーノ―ン・ウェルズ外野手をトレードで獲得



今オフ最大といえるトレード。ウェルズはブルージェイズの生え抜きスター選手で06年には32本塁打を放った実績があります。しかし、同年オフに7年契約を結んで以降故障・不振続きでいつしか「MLB最大の不良債権」とまで言われるようになってしまいました。エンゼルスでは名手トリ―・ハンターに代わってセンターに入る予定ですが、かつてゴールデングラブ賞の常連だった守備力もいまやメジャー平均以下なのでこのコンバートには疑問が感じられます。さらに、エンゼルスは残りの4年8600万ドルを全額負担するそうなので完全にエンゼルスが一方的に損をしているように思われます。ただ、ウェルズはメジャー屈指の人格者として知られており慈善活動にも熱心なことで有名。去年ギスギスしていたというエンゼルスをまとめてほしいという思惑が球団側にはあったのかもしれません。そう考えるとまずまずの補強だったのではないのでしょうか。



一方、ブルージェイズはこのトレードでマイク・ナポリ捕手(写真)、ファン・リベラ外野手を獲得。ナポリは3年連続で20本塁打を記録している強打の捕手。打率は低く、三振は多いですが選球眼はまずまずといった選手です。ただ、昨季は一塁での起用が主だったように守備面での評価は高くはありません。今のところ正捕手を務める予定ですが、昨季まで一塁を守っていたライル・オーバーベイ選手が移籍したことも有り、有望株のアレンシビアが台頭してくれば一塁や指名打者に回される可能性が高いでしょう。リベラは09年に25本塁打を放った実績のある選手。昨年は一転して低迷したように非常に波の大きく、足も遅いという欠点がありますが、つぼにはまれば怖い選手ですし守備力もまずまずといった感じです。今のところは、DHかトラビス・スナイダ―との併用で右翼に回るとみられています。



○レイズ、ジョニー・デーモン、マニ―・ラミレス両外野手を獲得




ある意味今オフ最も驚いたニュース。主力選手が多く流出しながらも思うように補強の進んでいなかったレイズが最後の最後に大きな動きを見せたという印象です。驚くべきはその契約内容。デーモンの1年525万ドル+出来高はまだしも、ラミレスは1年でたったの200万ドル。昨季が2000万ドルだっただけに驚きです。デーモンは若手有望株のデスモンド・ジェニングスもバックアッパー、ラミレスはフルタイムDHとしての役割が期待されています。また、ソリアーノやバルフォアなどがFA移籍した補償として、レイズは各球団から合計11個もの来季ドラフト1順目指名権を獲得しています。来季のドラフトは近年まれにみる大豊作なので、ある意味レイズも今オフの勝者といえるでしょう。



○ヤンキース、アンドリュー・ジョーンズ外野手を獲得



オフの補強が思うようにいっていないヤンキースがここにきてプチ補強。ジョーンズはブレーブス時代の05年に51本塁打を放った実績のある通算407本塁打の外野手。07年まで10年連続でゴールデングラブ賞を獲得するなど守備の評価も高いです。ただ、ヤンキースはレフトにガードナー、センターにグランダーソン、ライトにスウィッシャートいう盤石の布陣があるため第4の外野手という扱いになるでしょう。



○レッズ、ジョニー・クエト投手と4年間の契約延長



契約総額は2700万ドル。24歳のクエトは昨季キャリアハイの12勝、防御率3.64という成績でした。先日契約延長したジョーイ・ボット―やジェイ・ブルースといった選手とともにレッズの将来を担う選手として期待されています。



○ロイヤルズ、ビリー・バトラー一塁手と4年3000万ドルで契約延長




バトラーは2年連続で3割をマークしている巧打者。昨季は打点、OPSで智0牟トップの成績を残していました。なかなか好転の兆しのみえないロイヤルズだけに、チームからの期待の大きさがうかがい知れる契約といえます。



○その他の動き
ロッキーズ、ジェーソン・ハメル投手と2年間の契約延長
カーディナルス、ニック・プント内野手を1年70万ドルで獲得
マリナーズ、ネイト・ロバートソン投手らとマイナー契約
メッツ、スコット・ヘアストン外野手を獲得

2011年1月20日木曜日

最近の動き

○アスレチックス、ブライアン・フエンテス投手を2年1050万ドルで獲得



アスレチックスは先日のバルフォアに続きブルペンを補強。当初同じ左腕投手であるスコット・ダウンズの獲得を狙っていましたが、エンゼルスに獲られてしまったため、同投手の獲得となりました。フエンテスは昨季48試合で24セーブ、防御率2.81という成績。絶対的な安定感はありませんが、まずまずの成績は残してくれると思います。


○レッズ・昨季MVPのボット―と契約延長


契約内容は3年3100万ドル。昨季は50万ドル程度の年棒しかもらっていなかったので大出世といえます。思ったより契約年数が短いのは意外ですが・・。


○ロイヤルズ、ブルース・チェン投手と契約延長



チェンはパナマ出身の選手。昨季はチームトップの12勝を挙げました。エースだったグリンキーが抜け、メッシュも引退してしまったロイヤルズにとっては、先日獲得したジェフ・フランシスとともに数少ない計算できる投手といえます。防御率は4・17とイマイチですが、今季年棒が200万ドルなのでそこそこ安い買い物といえるのではないのでしょうか。



○ジョン・ラウチ、ブルージェイズと合意




ラウチは昨季ツインズで59試合に投げ防御率3・12という成績。ブルージェイズはクローザーだったグレッグが抜けており、ラウチは今季のクローザー候補でしょう。


○パドレス、チャド・クオルズ投手を1年150万ドルで獲得



クオルズは昨季ダイヤモンドバックスとレイズで合わせて70試合に投げましたが、防御率は7.32と大炎上。ただ、それまではずっと3点台前後の防御率を守ってきたので昨季の不振は突然変異的なものと見るべきでしょう。また、パドレスはベテラン捕手のグレッグ・ゾーンともマイナー契約を結んでおり、今季は若手のニック・ハンドリー選手とポジション争いをすることになりそうです。


○アンディ・ペティット投手が引退濃厚に



ペティットは38歳だった昨季ヤンキースで21試合の登板で11勝、防御率3.28という成績。前半戦だけで10勝を挙げましたが後半戦はケガのため長期離脱していました。オフにFAとなり去就が注目されていましたが年末に電話で話したマーク・テシェイラ一塁手によると引退の可能性が高いとのこと。家族と過ごす時間を大切にしたいようです。補強にことごとく失敗しただでさえ台所事情が厳しいヤンキースにとって、通算240勝に加えポストシーズンでも20勝を挙げているペティットが抜けるのは非常に痛いこと。打線が強いことがせめてもの救いですが・・・。

2011年1月15日土曜日

最近の動き

○タイガース、ブラッド・ペニー投手と1年契約



ペニーは06年の最多勝投手(16勝)。しかし、昨季はケガのため9試合の登板に終わっていました。ゴロで打ち取るタイプの投手なので被安打が多く、それほど防御率もよくありませんが、ケガがなければ先発3番手くらいで頑張ってくれるのではないでしょうか。


○ヤンキース、ラファエル・ソリアーノ投手と合意



ソリアーノは昨季レイズでリーグ最多の47セーブ。新天地ではマリアーノ・リベラにつなぐセットアッパーを務める模様です。契約内容は3年3500万ドル。救援投手にここまで出すのはヤンキースならでは。ただ、この補強によりヤンキースはレイズに来季のドラフト1順目指名権を譲渡しており、ヤンキースファンから少なからず批判もあるようです。


○ツインズ、ジム・ト―ミ指名打者と再契約



ト―ミは昨季108試合で25本塁打という成績。後半戦では離脱したモルノ―に代わり4番を務め、チームの地区優勝に貢献しました。通算本塁打は歴代8位の589発。今季は600本塁打達成が期待されます。


○アスレチックス、グラント・バルフォア投手と2年810万ドルで契約



バルフォアは3年連続で50試合以上に登板した投手。昨季は投手コーチとプロレスごっこをしているうちにわき腹を痛めて離脱(苦笑)したりしましたが、57試合で防御率2.28と安定していました。
アスレチックスはただでさえ強いブルペン陣をさらに強化。打撃陣でも松井などを補強しており、今季はかなり手ごわそうです。レイズはアスレチックスの来季のドラフト2順目指名権を獲得しています。

2011年1月11日火曜日

最近の動き

○ヤンキース、ペトロ・フェリシアーノ投手と合意



完全に今オフの補強に失敗しているヤンキースですが、ようやく動きがありました。2005年にはソフトバンクに在籍していたフェリシアーノはメジャー復帰後の5シーズンで408試合(!)に登板。昨季は92試合に投げました。しかし、主にワンポイント起用が中心なのでイニング数は毎年60イニング程度にとどまっています。疲労や故障が心配ですが、昨季左のリリーバーがブーン・ローガンくらいしかいなかったヤンキースブルペンにとっては大きな補強だといえます。


○レッズ、エドガー・レンテリア内野手、フレッド・ルイス外野手を獲得



昨季ワールドシリーズMVPのレンテリア(写真)はレッズと1年契約。レッズにはメジャー屈指の二塁手であるブランドン・フィリップスがいるためショートでの起用が中心となりそうです。ルイスは昨季17盗塁を記録した俊足の選手。打撃・パンチ力はまずまずなのですが、レッズの外野陣はゴームズ、スタブス、ブルースの3人で確定でしょうから第4の外野手という扱いになると思います。


○レンジャーズ、デービット・マーフィー外野手と契約延長



マーフィーは今季打率2割9分1厘、12本塁打、14盗塁という成績。外野の前ポジションで先発出場し、チームの優勝に大きく貢献しました。勝負強い打撃と、高い守備力は今季も大きな戦力となりそうです。


○カール・パバーノ投手がツインズと2年間の契約延長



先日、とある専門誌で「ヤンキース史上最悪のFA獲得選手」に選ばれてしまったパバーノ(4年3995万ドルで入団も3年間で9勝しかできず、契約を1年残し放出)ですが、今季は17勝と復活。それほど安定感はないものの、ケガさえなければイニングイーターとして頑張ってくれるだろうので先発不足のツインズには朗報でしょう。


○マリナーズ、アダム・ケネディ内野手とマイナー契約



ケネディは好守・巧打の選手。昨季不振だったのでマイナー契約にとどまりましたが確実にメジャーに上がれるでしょう。打撃・守備ともに平均以上なので、2塁のポジションは堅いように思います。マリナーズにはダスティン・アックリーという有望株がいるのでそれの教育係的な役割も期待されます。


○カルロス・デルガド、今季のメジャー復帰を熱望



デルガドはメジャー通算473本塁打を誇る大砲。昨季はケガのためプレーがありませんでしたがDHでならまだまだやれるとのこと。他にも、大投手ペトロ・マルティネスや通算325本塁打のジャーメイン・ダイ外野手など昨季プレーしなかった選手達が復帰に向けて動いている模様。特にダイは09年に27本塁打を放ちながらも契約先が見つからないという悲劇に見舞われてしまったために、何とか復帰してほしいものです。


○アロマー、ブライレブン両氏が殿堂入り




今季の殿堂入り選手が決定。アロマ―は資格取得後2年目、ブライレブンは14年目での殿堂入りとなりました。一方、5年目のマグワイアは得票率19・8%と前回より4ポイントも下落。確実だったはずの殿堂入りに黄信号がともっています。

2011年1月6日木曜日

最近の動き

○レンジャーズ、ベルトレと6年9600万ドルで契約



今オフの目玉選手のベルトレも行先は決定。案の定、ネット上などではその契約期間の長さ、高額さに対する批判が噴出し、不良債権化を予測する声が多いようです。確かに、マリナーズ時代のベルトレの打撃成績は当初の期待とは大きく抱え離れていたものでした。しかし、シアトルの球場はメジャーでも一二を争う投手有利の球場。一方テキサスの球場はメジャー屈指のホームランパークです。ですので、マリナーズ時代のようなことにはならないのではと思われます。実際、ベルトレはこの球場ではOPS8割5分7厘という成績を残していますし、マリナーズ時代もアウェーではよく打っていました。それに、守備は超一流ですのでそんなにバカげた契約とは言えないでしょう。これにより、チームの象徴であるマイケル・ヤング選手は指名打者に回ることが濃厚。ヤングはイチローも認めているようにメジャー屈指の巧打者ですが、守備は最低レベルなので正しい判断だと思われます。また、去年指名打者を務めたウラディミール・ゲレ―ロ選手との再契約はほぼ消滅しました。


○レンジャーズ、B・ウェッブ、A・ローズ両投手を獲得



これもレンジャーズの話題。ローズは昨季41歳ながらメジャータイ記録の33試合連続無失点を記録するなどした好救援。ブルペン陣の強化になったでしょう。ウェッブ(写真)はここ2年けがに泣かされ昨季は登板がありませんでしたが、08年には22勝を挙げてナ・リーグサイヤング賞を獲得した実績があります。ぜひ復活してほしいところです。


○オリオールズ、デレク・リー一塁手を獲得



プレーオフ争いのできるチームへの移籍を求めていたためか、なかなか行き先の決まらなかったリーですが、結局オリオールズ入りが決まりました。ただ、オリオールズは3年連続ア東部地区最下位なので、モチベーション低下にならないかが心配です。ただ、今季のオリオールズはD-Backsからレイノルズや昨季ブルージェイズで活躍した救援投手グレッグを獲得するなど勝ちに行こうという姿勢が見て取れます。もしも、オリオールズが復活したら・・・・、東部戦線異状アリです。


○ナショナルズ、アダム・ラローシュ一塁手を獲得



オリオールズからの3年2700万ドルの契約を蹴り、さらなる高額契約を模索しているうちに行き場を失っていたラローシュですが、ナショナルズ移籍が決定。契約内容は2年1500万ドルですから完全に市場の動向を見誤った感じです。そんなにインパクトのある選手ではないですが、常時25本塁打90打点くらいの成績はキープしてくれますし離脱がほとんどない選手なので、一塁手と指名打者の補強が急務なレイズがなぜ獲得に動かなかったのかはよく分かりません。ラッセル・ブラニヤン(昨季マリナーズ)あたりを狙っているのでしょうか。まさか、一塁ダン・ジョンソン(09年は横浜に所属)、指名打者ウィリー・アイバーという布陣で行こうとしているとは思いませんが・・・。


○ロッキーズがC・ゴンザレスと7年8000万ドルで契約か



今年はMVP投票で3位に入る活躍を見せた「カーゴ」ことカルロス・ゴンザレス。どうやら契約延長にサインする模様です。金額は代理人がボラス氏であることを考えるとだいぶ安いですが、09シーズンの後半から定着したばかりの選手なので妥当でしょう。それにしてもロッキーズはどれだけ金があるのでしょうか・・・。

○ブレーブス、ダン・アッグラ二塁手と5年6200万ドルで契約延長



11月にトレードでマーリンズから移ってきたアッグラ。マーリンズが提示していたのは4年4800万ドル(あの球団にしては考えられない様な契約)でしすから金額・年数ともにアップしました。フィリーズの独り勝ちを予測する声の多いナ東部地区ですが、ブレーブスにも要注目。打線はアッグラに加え今や完全にチームの顔となったブライアン・マッキャン捕手、若手のジェイソン・ヘイワード、強打の遊撃手であるアレックス・ゴンザレスなどやや小粒ながらも役者ぞろい。投手陣もフィリーズ・ジャイアンツと引けを取らない面々なので油断のならないチームだと思います。

2011年1月4日火曜日

殿堂入りが期待される名選手②

3、ラリー・ウォーカー(外野手 エクスポズ~ロッキーズ~カーディナルス)



カナダ人として初めてMVPを獲得した選手。走攻守そろった5ツールプレーヤ―でロッキーズ時代にはビニー・カスティーヤ、ダンテ・ビシェットらとともにブレイクストリート・ボンバーズと呼ばれた強力打線の中軸を担い、毎年のように3割30本100打点を記録しました。脚力にも優れ97年には33盗塁を記録。この年49本塁打を放っており、あと1本でメジャー史上初の「50本塁打30盗塁」を達成するところでした。守備にも優れ、ゴールドグラブ賞も7回獲得。打者天国コロラドを主な本拠としていたことや、プレーオフ経験がほとんどないことがマイナス評価となるかもしれませんが、残した成績を考えると、今年は無理だとしても将来的には殿堂入りできると思います。

通算成績:http://www.baseball-reference.com/players/w/walkela01.shtml


4、バリー・ラ―キン(遊撃手 レッズ)



90年代を代表するショートストップ。86年にレッズでデビューすると、以後19年間レッズ一筋で活躍しました。走攻守3拍子そろった選手で96年には遊撃手としては初めて30本30盗塁を記録。2000年には球団史上4人目の2000本安打も達成しています。ゴールドグラブ賞も3回獲得しており、守備の評価も高い選手でした。95年には打率.319、15本塁打、66打点という成績ながら、リーダーシップを評価されてMVPを獲得しています。背番号11はレッズの準永久欠番となっており、レッズ史上屈指の名選手でした。

通算成績:http://www.baseball-reference.com/players/l/larkiba01.shtml

2011年1月2日日曜日

殿堂入りが期待される名選手①

新年明けましておめでとうございます。今年も野球ネタ中心で書いていきますんでよろしくお願いします。


さて、毎年1月メジャーでは殿堂入り選手の発表が行われます。そこで、今季殿堂入りが期待される選手たちを何人か紹介していきたいと思います。


1、バート・ブライレブン(投手 MIN~TEX~PIT~CLE~MIN~CAL)



オランダ本国生まれという変わり種。「カーブボールの芸術家」といわれるように絶妙なカーブを武器に通算287勝を挙げました。弱小チームに所属していたことや、85年の最多奪三振以外タイトルがないために注目度は高くありませんが、昨季74.2%と高い投票率(殿堂入り資格は75%)を獲得しており今季の殿堂入りは間違いないでしょう。史上15人しかいない3000奪三振を達成していることや、22年間と非常に息の長い活躍をしたことも高く評価されるべき点です。



2、ロベルト・アロマ―(二塁手  SD~TOR~BAL~CLE~NYM~CWS~ARI~CWS)



史上最高の二塁手との呼び声高い名手。主にリードオフマンとして活躍し通算2724安打、474盗塁を記録。長打力にも優れ、二塁打は504本、本塁打は210本記録しています。また、守備面でもゴールデングラブ賞を10度受賞しており非常に安定していました。特にインディアンスに所属していた時にオマール・ビスケルと組んだ二遊間コンビは鉄壁を誇りました。30代半ばで急激に衰え、3000本安打を逃したことは残念ですが、残した実績を考えると今シーズンの殿堂入りは確実ではないかと思われます。ちなみに父、サンディー・シニアは通算227盗塁を記録した俊足巧打の選手、兄のサンディー・ジュニアはオールスター6度選出の90年代を代表する捕手です。