7、IsoD(Isolated Discipline)
算出方法:出塁率―打率
算出方法からわかるように、四死球によりどれくらい出塁したかを測る指標です。数値が高い選手は選球眼が良く、打ち取りづらい打者だとされます。一方低い選手には、本当に選球眼が悪い選手と、イチローのように早打ちタイプの打者とが含まれるので注意が必要です。これに並行して、P/PA(一打席あたりに投手に投げさせた球数)も重視されます。この2つの指標を用いることで打者の選球能力の有無を調べることができるわけです。日本プロ野球でこの指標の数値が大きい選手としては東京ヤクルトのアーロン・ガイエル選手があげられます。彼は今季までの4年間の通算打率は2割3分6厘にすぎませんが、出塁率は3割5分9厘。IsoPは1割2分3厘です。彼の場合、死球が異常に多い(4年間で65個)というのも有りますが、それを除いても非常に高い数値です。アレックス・カブレラやタフィー・ローズといった選手とは圧倒的に迫力が劣るにもかかわらず彼らよりも高い数値を叩き出しているガイエルは、かなり優秀な打者だと言えるでしょう。
8、IsoP(Isolated Power)
算出方法:長打率ー打率
純粋な長打力を測るために考え出された指標がこのIsoP。元来、長打力を示す指標として長打率が知られていましたが、この指標は単打などによっても数値が上がってしまいます。そのため、最近ではIsoPがしばしば用いられます。今季の日米のプロ野球でこの数値が最も大きかったのが西武の中村選手。今シーズンは故障なども有り、打率2割3分4厘と低迷しましたが長打率は5割3分9厘。IsoPは3割にも上ります。今季71安打中25本が本塁打だったように、いかに中村選手が長打力があるかが分かります。万全であれば、日本人では2002年の松井秀喜以来となる50本塁打も夢ではないでしょう。逆に、最も低いのがクリーブランド・インディアンスに所属したマーク・グラジラネック選手。今季は打率2割7分3厘でしたが、長打率も2割7分3厘。今季はなった30本のヒットがすべてシングルだったためです。メジャーの歴史をみても、年間100打席以上に立って一本も長打を打たなかった選手は非常に珍しいようです。
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