第三弾です。今日は守備に関する指標を紹介。
4、プラス・マイナス・システム
守備能力の有無を示す指標として、失策・守備率というものがあります。しかし、失策はあくまで記録員の主観によって決められるものでありあまりあてになるものではありません。また、打球に触れなければ失策は記録されないので、難しい打球も果敢に取りに行くような積極的な守備をする選手には不利です。むしろ、重要なのは守備範囲といった要素です。そこで考え出されたのがプラス・マイナス・システムです。算出方法の手順はコチラ。
1、フィールドを数百のエリアに分け、あるエリアに飛んだ打球を野手はどれくらい処理できるか、とい う平均処理率を算出する。
2、ある選手が処理できた打球は、1から平均処理率を引きそれを得点とする。
(平均処理率を0・8とすると、得点は0・2となる。)
3、処理できなかった打球は、平均処理率をそのまま減点する。
(平均処理率を0・8とすると、得点はー0・8となる。)
分かりにくいかもしれませんが、こんな感じです。0が平均的な数値であり、プラスならば平均以上、マイナスなら平均以下です。この指標により、失策が多くても守備範囲の広い選手の方が、失策は少なくとも守備範囲が狭い選手よりも評価されるようになりました。しかし、これには欠点も有ります。まずは、平均処理率を算出することが非常に面倒である点。そして、捕手の守備評価に適さないといった点です。捕手の守備機会の大半は三振時のキャッチングの際に記録されるためです。このため、欠点を解消するために次の指標が考えだされました。
5、守備防御点
大まかな点はプラス・マイナス・システムと変わりませんが、この指標はどれくらい失点を防げたかということに焦点が置かれている点がミソです。手順としては、前年のシーズンのデータ―から状況別の(アウト数・ランナーの数)得点期待値を算出します。そして、その状況下で野手がきちんと打球を処理できたかにより、守備防御点が変動します。分かりやすく説明しますと、ノーアウト1塁・ワンアウト1塁・ノーアウト1・2塁での得点期待値をそれぞれ、0・5、0・3、0・7とします。ノーアウト1塁において、野手が自分の守備エリアにとんだ打球を処理できた場合、得点期待値は0・5から0・3に減りますので、その選手はそのプレーにおいて0・2点を阻止したことになります。ですから、その選手の守備防御点は0・2となります。逆に処理できなかった場合、得点期待値は0・5から0・7に上がるため、その選手はそのプレーにおいて0・2点余計に相手に与えたことになります。ですから、その選手の守備防御点はー0・2となります。こうしたひとつひとつのプレーを積み重ねて、シーズンの守備防御点を算出します。この指標は捕手の守備能力も図れるうえ、プラス・マイナス・システムでは評価できない肩の強さ(補殺など)などの能力も反映できるというのが最大の利点です。
分かりにくかったかもしれませんが今回は以上です。次回からはもっと込み入った指標を紹介します。
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