弱小マリナーズに所属していたため勝星こそ13勝(12敗)と伸び悩みましたが、メジャートップの防御率2・27、リーグ2位の232奪三振、リーグ最多の249 2/3イニングを投げました。特に後半戦の安定感は素晴らしく防御率は何と1・53(但し6勝7敗w)。リーグ最多の21勝を挙げたサバシア(ヤンキース)、19勝のプライス(レイズ)を抑えての堂々の受賞でした。
勝星だけで見るとサバシアやプライスの方が上でしたが内容はヘルナンデスの方が圧倒的に上。防御率ではヘルナンデスの2・27に対してプライスは2・72、サバシアに至っては一点近くも悪い3・18でした。
このように、メジャーでは先発投手を評価するうえで勝星より内容を重視する風潮が強くなってきています。これは非常に公平なことだと思います。しかし、一昔前だと防御率や奪三振数よりも勝星の方が重要視されていました。ですから弱小球団の投手だと、たとえいい投球内容を残しても同賞に選ばれないことが多々ありました。
その最たる例がノーラン・ライアン。
通算324勝、メジャー史上最多の5714奪三振、史上最年長の44歳での達成を含む通算7度のノーヒット・ノーランなど輝かしい成績を残すライアンですが、意外なことにその27年にもおよびキャリアの中でサイ・ヤング賞に選ばれたことは一度もありません。弱小球団のエンゼルスに8年、アストロズに9年も所属していたため、勝星が伸び悩んだのが最大の原因(エンゼルス時代には16敗以上したシーズンが5度も有った)でしょう。特にアストロズ時代の1987年にはリーグトップの270奪三振、同じくトップの防御率2・76を記録したにもかかわらず打線の援護に恵まれず、8勝16敗と大きく負け越したため受賞を逃しました。メジャー史上、最多奪三振と最優秀防御率のタイトルを手にしながらもサイ・ヤング賞を逃した投手は彼だけです。
今の風潮を見ている限り、今後ライアンのような悲劇に見舞われる投手は現れることはないでしょう。野球に革命をもたらした、とまで言われているセイバーメトリクスはこんなところにも影響を及ぼしていたんですね。
ではでは。
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